立ち上げに寄せて

こども食堂立ち上げから、3年

私は寿司屋の娘として育ちました。夕方から閉店の23時まで裏で1人。パン屋さんが売れ残ったパンを食べさせてくれたり、年上の子に連れられて銭湯で入浴したりと、地域の大人が育ててくれました。でも、それは、職住同一な昭和な商店だからできたこと。今は、何か仕掛けがないと、地域の大人がこどもを見守るのも難しい時代だと思います。

 

「新宿にも、こども食堂は必要なの?」その疑問に、区内の小学校教員や児童館職員から、「作ってほしい、行政職員は公平性を守る立場があり、個々のこどもに何かすることができない」と、心の葛藤を聞きました。そして、「ご飯つくってこどもと食べるだけなら、毎日してるじゃん!」というママ友の言葉に勇気づけられ、こども食堂サミットに参加。同じ思いの新宿区在住の方と出会い、立上げメンバーを得ました。

 

こども食堂を始めたいと呼びかけると、その日のうちにたくさんのママ友が集まってくれました。彼女たちからは「うちの子は癇癪が強く、毎日が本当につらい。夕飯どきが一番大変なのに区内の子育て支援は昼間だけ。夕飯どきにかけこめる場所があったら…」、「気になる子がいる。遊びに来るといつまでも帰らない。両親が9時過ぎまで帰宅せず、夕飯を買うお金は置いてあるが、さびしいみたい」などの声が。ボランティアに参加するママ自身にも、切実なニーズがありました。

 

2016年3月から箪笥町地域センターで月1回開催。半年後には若松地域センターも加えて月2回開催になり、毎回60名ほど来店されるようになりました。規模が大きくなるにつれ、人手が足りなくなり、大量に出るゴミの処理に困ってしまうことも。すると、お客さんがゴミの持ち帰りや皿洗いを買って出てくれるようになり、焼き立てパンを差し入れてくれるパン屋さんもあらわれました。こうして、「ボランティアお客さんわけへだてなく、すべてのお子さん、親御さんが、心から楽しめる場」「みんなでつくる食堂」というコンセプトがみえてきました。

 

これからも、多くの方に参画いただき、一緒に育てていただければ幸いです。

 

設立発起人 齋藤宏子(新宿区こども・子育て会議 区民委員)


わかまつ食堂の立ち上げに寄せて

私は2年間、新宿こども食堂たんすまちの副代表として活動させていただきました。それまでは国際協力を中心にボランティア活動に取り組んできましたが、2012年に長女を出産してから、あまりにも育児がつらかったので、国内の産後ケアと子どもを取り巻く問題に関心が広がりました。そのタイミングで、保育園のママ友に、こども食堂たんすまちの運営に誘ってもらいました。

 

もともと、週末に近所の公民館でコミュニティ・カフェをやってみたいと思っていました。いろんな人が集まって来て他愛ない話をしてホッとできたり、困っていることを話してすっきりしたりできる場所を作って、自分も子育ての疲れをいやしたいと思っていたのです。その矢先、新宿こども食堂たんすまちの立ち上げに誘われ、2年間運営するご縁に恵まれました。その中で、箪笥町と若松では、来店される方の雰囲気が違うことに気づき、たんすまち運営で学んだことを生かしつつも、参加費などを変えた「新宿こども食堂わかまつ」という姉妹団体として独立することにしました。

 

仕事に育児、NGO運営や大学院進学と忙しい生活のなかで、月2回のこども食堂の活動を続けてこられたモチベーションは、「辛く苦しい子育て中でも、みんなでワイワイごはんを囲むことで、ちょっと心の荷をおろして、また子どもってかわいい、という気持ちに戻れる場所をつくりたい」という想いです。そして、私自身も気さくな仲間に恵まれ、自分の子どもたちも食堂を楽しんでくれていることが、継続の秘訣です。特に、新宿区の助成金や心ある方々のご寄付により、金銭的な負担なく活動に携わらせていただいていることで、無理なく続けられてこられました。

 

どうか、わかまつ食堂も、多くの方にご支援いただき、一緒に育てていただければ幸いです。

 

設立発起人 甲野綾子(団体職員)



お問い合わせ たんすまち shinjuku.kodomoshokudo@aol.jp

わかまつ shinjuku.kodomoshokudo@gmail.com

※新宿こども食堂たんすまち/わかまつは2018年度の新宿区子ども未来基金及び2018年度(赤い羽根共同募金と歳末・地域たすけあい募金の募金を原資とする)新宿社協の助成金を受けています。